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August 05, 2008

見せる工夫

中国に「朝三暮四」という故事がある。宋の狙公が、朝3夕4の比率で餌をやろうと言ったら、猿は怒り、逆に朝4夕3の比率でやることにしたら喜んだという、有名な話である。

これは実話ではないだろう。チンパンジーでもない限り、猿に言葉はわからないし、ましてや、数の大小がわかるはずがない。

それはさておき、この故事は、一般には、目先の違いにこだわって、結果として同じになることを見逃してはいけない、という形にまとめられる。要するに、猿の浅知恵をからかっているのである。

本当にそうだろうか。

今はオープンキャンパスの季節である。ここでも、7月に続いて、先週末は2日連続で開催した。本学では、少し前までは、学科や入試、就職などの相談コーナーを設け、キャンパスツアーと学科ごとの模擬講義があるという平凡な形だった。今年は、各学科の「イベント」を中心にした結果、学長挨拶も廃止し、それぞれに、建物の1フロアを使って、いろいろと面白い企画を立てることにした。

大学の「売り物」は学問である。ただ、それを「講義」という形だけで見せようとすると、相当うまくやらないと退屈なものになってしまう。それより、実際にネイティブ・スピーカーと英語でしゃべろうとか、メタボクイズをやってみようとか、小さな絵巻物を作ってみようとか、宮崎アニメを見ようとか、心理テストを受けてみようとか、電子ピアノを弾いてみようとか、コシノヒロコ作の実物の服の展示だとか(とても全学科の全イベントを書ききれないので、次回24日を楽しみにしてもらいたいが)、見せる工夫をしないと高校生は魅せられない。

「朝三暮四」にも、猿は意外に賢いという解釈がある。同じ中身でも見かけによって随分印象が違う。目先の違いこそ大事なことがわかっているというのだ。その意味で、オープンキャンパスのようなイベントは、教員の見せる力が試されていることになる。

しかし、「朝三暮四」の故事は、実はもっと単純な話で、狙公は猿の健康を考えて、朝食は軽くと考えただけで、一方、猿は猿で、朝食をしっかり食べる方が健康によいと考えていたという健康観の違いの問題なのかもしれない。

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