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September 13, 2008

「閉」ボタン

エレベータには「閉」と「開」のボタンがある。この2つの漢字は形が似ていて間違いやすいのか、たいてい、三角を2つ向かい合わせた記号を使っている。これも実にまぎらわしい。「|><|」が「閉」で「<||>」が「開」だということは冷静に考えればわかるが、あせっているとどっちがどっちだかわからなくなってしまう。

例えば、エレベータの中にいて、外から走って乗って来ようという人を見た場合、親切にドアを開けてあげようとして、「|><|」を押して閉めてしまうことがある。まるでいじわるをしたみたいで後味が悪い。そういうことがよくあるのか、最近では「開」を緑色にして目立つようにしてある場合も多い。

エレベータには独特のエチケットがある。欧米だと、Ladies first の原則が徹底していて、どんなに面倒な状況でも女の人を先に乗せ、先に降ろす。混雑している場合には、最後に乗った人が先に降りる、last in, first out の原則の方が合理的だと思うのだが。

おそらく日本独特のエチケットに、先に降りる人が、中にいる人に対する親切として、腕だけエレベータの中に残して「閉」ボタンを押すというのがある。これで、中に残っている人にとっては、何秒か最終階に着く時間が短縮されるわけだ。

しかし、そこまでする必要があるだろうか。

今住んでいる集合住宅には、4人乗りの小さなエレベータがあるが、これには「閉」ボタンはない。もちろん「開」ボタンはある。これがないと、閉まるドアに挟まれそうな人が出た場合に危険である。しかし「閉」ボタンは、ほんの何秒かの時間の節約以上の意味はない。

「閉」ボタンのないエレベータというのは、何だかささやかな「ゆとり」を感じさせるようで心地よい。「閉」ボタンを押さなくてもドアはいつかは閉まるのだから、別に「エコ」という観点からも無駄をしていることにはならないだろう。むしろ、早目に閉めるためには余計に回路に電流が流れそうな気がする。

もっとも、エレベータという存在自体が「エコ」とは相容れないかもしれない。究極の「エコ」は、そもそもエレベータに乗らないということだろう。そう思って、できるだけ階段を上るようにしている。

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