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September 30, 2008

コップの中の青汁

先日の9月卒業式のときに自分でした話の一部が気にかかっていた。

有名な、悲観論者と楽観論者を比べるたとえ話である。コップの中に水が半分ある場合の見方の比較で、よく知られているバージョンでは、悲観論者は、「もう半分飲んでしまった、あと半分しかない」と思い、楽観論者は、「まだ半分しか飲んでいない。あと半分残っている」と考えるというものだ。

これにちょっとひねったバージョンを付けてみた。コッブの中にあるのが冷たい水ではなくて、苦い青汁だったとしたらどうなるだろうか。悲観論者は「まだ半分しか飲んでいない。あと半分残っている」と思うだろうし、楽観論者は、「もう半分飲んでしまった、あと半分しかない」と考えるだろう。

まったく同じ言い方が実は曖昧性があるということなのだ。この2つがまったく同じ表現であることは、耳で聞いているより、目で見た方がはっきりする。ただ、卒業式では、まったく同じ言い方をするつもりが、しそこなったり、そのあと、強引に、物事を楽観的に見たら、という話にもっていってしまったので、何かすっきりしなかった。

水バージョンのみだと、ことばの解釈は一義的である。「もう」は悲観的であり、「まだ」は楽観的である。青汁版では、それが逆になる。「もう」とか「まだ」とか「しか〜ない」とか「あと」のような言い方が、対象としている状況によって、楽観的にも悲観的にも解釈できることがわかって、ちょっと嬉しかった(こんなことを嬉しがるとは、言語学者というのはまったく因果な商売である)。

9月の卒業式は人数も少ないので、チャペルでおこなう。チャペルでは、9月卒業式の他に、先日の Bach Collegium Japan をはじめとしたコンサートも開くし、7月には学長賞の表彰もとりおこなった。その度に、雰囲気のあるいい場所だと思う。壇上でなく、ほぼ同じ高さから話すので、聴衆や学生との距離もずっと近い。

卒業生は、もちろん、帰ってきて、また別の式を挙げることができる。チャペルで2度も式をすることができるのが9月の卒業生の特典なのである。

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