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October 31, 2010

白線の内側

駅でのアナウンスに「危険ですので白線の内側にお下がりください」という類いのがある。ホームがいわゆる島式で、両側に線路がある場合にはよくわかる言い方だが、真ん中に線路があって、その両脇にホームがある相対式の場合には、一体どちら側に下がったらよいのか迷う。

ということは実際にはなくて、誰でも線路から遠い側に下がるのだが、その場合、「内側」という言い方がしっくりこないと感じている人も多いようである。相対式ホームでは線路から遠い方向は駅全体から見たら「外側」になる。これを「内側」と言えるのは、なぜだろうか。

例えば、無人駅で、ワンマンカーの運転手が、電車の中から、外の相対式ホームで待っている乗客にアナウンスする場合を考えてみる。実際そのような運行をしている鉄道会社があるのかどうかは知らないが、「危険ですので白線の外側にお下がりください」と言いそうな気がする。

言うまでもなく、ウチ、ソトというのは、仲間とそれ以外とを分ける発想である。境界線を挟んで、自分に近い側がウチであり、遠い側がソトになる。つまるところ、アナウンスする人にとっては、線路は自分から遠い側、ソトであり、「危いから私の方に寄りなさい」ということなのだろう。

ところで、「白線の内側」以外に、「黄色い線/ホームの内側」とする駅もある。白線は単なる線だが、「黄色い線」は、線というより、かなりの幅の点字ブロックである。また、「ホーム」となると自分の居場所という感じが強くなる(因みに「ホーム」はplatform の略であって home ではない)。

この場合、相対式であっても「ホーム」はその片側だけを指す。その内側はホームの中で駅舎に近い側である。駅舎がホームの線路側にあるということは通常ないから、「内側」は線路から遠い側になる。もっとも駅舎が線路をまたぐ形で上にある場合にはどちらが内側かわからなくなりかねないが。

今週末は大学祭が開かれる。日頃「内側」に入りにくい女子大の中を見てもらう絶好の機会でもある。「華やかですので門の内側にお上がりください」というところだろうか。実際、斜面に沿って建っているキャンパスなので、坂を上がってもらわなくてはならないのだが。

(調べていたら、「危険ですから」というアナウンスもあることを知った。「から」と「ので」の使い分けも面白い話題だが、これはまたの機会に。)

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