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November 30, 2010

未完成

先週は1週間に東京出張と日本言語学会の第141回大会があったので、まさに怒涛のような日々だった。

言語学会の第1回大会は戦前の1938年に遡る。ほぼ年に2回のペースで開催されている。春は6月ごろに東京近辺で、秋は首都圏以外で開催される。

文科系の学会は土日に開かれることが多い。言語の研究者の多くが、平日は大学で語学教育に従事していることが多いということが一因にあるだろう。もともとコマ数が多いので、平日の学会に行くには休講にしなくてはならないし、休講したら補講をしなくてはならない。授業に差し支えのない曜日は土日しかないのである。

つまり、学会に行くと週末が休日でなくなる。ただでさえ、11月は学園祭やら推薦入試やらで休日がつぶれることが多いのに、そこに学会が入ると休みなしの月となりかねない。実際、個人的には、今年は、祝日も含めて、休みなしの11月となってしまった。

しかし、忙しい思いをしても行くのは、学会が、研究発表を聞く楽しみの場であるとともに、親しい人との再会を喜ぶ場でもあるからである。たいていの学会には「休憩室」という呼び名で、お茶やコーヒーなどが飲める部屋が用意されているが、発表そっちのけで、そこで友人や知人とずっと「休憩」している人もいる。

もう一つの楽しみは懇親会である。大学の学生食堂で開かれることが多いので、豪華な料理は期待できないが、開催校が精一杯、御当地の名物とか(仙台ならば「牛タン」)、おいしい地酒などをふるまってくれることが多い。それに、何よりも、半年振りかで合う知人との語らいが御馳走である。

研究発表の方は玉石混交である。名の通った「大家」の発表もあるが、大学院生が武者修行という感じで発表することも多い。もちろん事前に提出したアブストラクト(概要)による審査を通っているので、とんでもない発表というのはたまにしかないが、それでも、聞いた後で今一つという感想をもつような発表もある。

ただ、学会のいいところは、大学院生の未完成の研究でも、会場から多くの場合建設的なコメントがもらえるところである。また、それが、大学院生であった時代がはるか昔である者の仕事でもある。コメントがいっぱいもらえる発表は成功と言えるだろう。フィードバックというのは誰にとっても貴重だと、最近つくづく思う。

明日から師走。今のペースだと次回は大晦日になってしまうが、それは何としても避けたい。

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