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December 30, 2010

運ん読

この2か月、日祝日の休日のほとんどがなくなって、東京やら仙台やらの出張が入っていた。今年最後の週末にも、2年前とほぼ同じ日程で台湾に行ってきた。今はようやく年末年始の休みである。

幸いなのは、これらの出張のいくつかが、言語の研究者としての仕事にかかわるものであったということである。前回書いたように、11月の仙台は日本言語学会だったし、12月のはじめには近場の京都近辺で科学研究費による会合があり、久し振りに会う国内外の研究者と楽しいひとときを過ごした。

今回の台湾も、前回と同じ育達商業科技大学だが、目的は「国際学会」での招待講演である。と言っても、日本、台湾、韓国からの参加者による、ほとんどが日本語による発表だったのだが、発表内容は自由に選んでよいというので、日本語を類型論的立場から見るというような、やや専門的な内容を話してきた。

もっとも、日頃研究に十分時間が割けているわけではないので、何年か前に訳した『言語のレシピ』(岩波書店)という本が、ちょうど12月に現代文庫化されたので、その内容の触り(聞かせ所)を紹介しつつ、おわりの方で、最近考え始めた、日本語と中国語の再帰形の違いについて簡単に触れてみた。

今まで、「国際交流」という立場でしか話したことのない人たちと、少しばかり、日本語という言語の問題について話すことができたのはよかったと思う。もちろん、一般的な意味でのお互いの大学の人的な交流がより一層深まったのは言うまでもない。

旅行のとき、毎回悩むのがもっていく本である。荷物を重くしたくはないが、あまり少ないと、ホテルや帰りに読む本がなくなる。われわれの世代に多いと思うが、身の回りに活字がないとパニックを起こしてしまいかねないのだ。

そこで、慎重に選択することになるのだが、ついつい「念のため」という根性から、多目に鞄に詰めることになる。そしてたいてい読み切れず、「詰ん読」のままもち帰り「運ん読」だけになってしまう。それでも、これでパニックに陥らずに済むと思えば、保険をかけているようなものだと言えるだろう。

今回は、一つだけ「運ん読」すべき本を忘れてしまった。上記の現代文庫を献本としてもっていく積りだったのだ。幸い今回同行した同僚が2月に学生を引率してまた行くので、そのときに運んでもらおうと思う。

「運ん読」におわらなかった本について書きたいところだが、長くなってきたので、年内に別に書くことにする。久し振りに家にいる休日のせいか、時間はたっぷりあるような気がする。気がするだけかもしれないが。

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