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December 28, 2011

余熱

寒くなってくると、熱い風呂が心地よい。ガスで沸かす風呂にはたいてい「追い焚き」の機能がついているが、わが家の「追い焚き」のボタンには「あつく」と書いてある。それを押すと、女声で「あつく」としゃべるのが愛嬌である。

追い焚きのときには、焚くと同時にポンプが回って湯を循環させる。タブの中の冷めた湯を外のボイラーで加熱して元に戻すのだが、ボイラーに火がともっている間は表示部に炎のアニメーションが出て、ポンプの回っている音もする。

面白いのは、炎の表示が消えてもしばらくはポンプの回っている音がし、実際に湯が循環していることである。大体1分間くらいはその状態が続き、やがてポンプも止って静かになる。

つまり、炎が消えてもボイラーはまだ熱いので、その余熱で湯をもう少し暖め続けているのである。たとえ1分間といえども、十分に熱い状態にあるボイラーを有効に利用しようとする、このしくみを設計した人には頭が下がる。

「余熱」という言葉は、「余計」という消極的な印象よりも、「余裕」という積極的な印象を与える。「余」という漢字は、もともと、スコップでゆったりとのばし広げることで、ゆとりのあることだという。人生もこのように生きることができたらと思う。

もちろん、今年の原子炉の「余熱」のように、熱がいつまでも下がらないのは困る。人間も熱でカッカとするのではなく、ほかほかとした暖かさでいきたい。

寒いとどうしても暖かい話を求めてしまうのはやむを得ないが、今年もあとわずか。イギリスの詩人シェリーの「冬来たりなば春遠からず」(If winter comes, can spring be far behind?) ということで今年を終えることにしたい。

よいお年を。

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