Dog year
めっきり白髪(しらが)が増えてきた。といっても、自分のことではない。飼っている犬のことである。
もちろん、自分にも白髪は多いのだが、これはもう大分前からこの状態で、最近ストレスなどで少し増えてきているということがあるかもしれないが、見た目にはもう定常状態に達していると思う。
我が家の犬はパピヨンである。もともと白と黒と茶の3つの色がバランスよくまざっている犬なので、胴体などの白い毛など、生まれつきに白い部分はあった。しかし、最近、頭頂が白っぽくなってきているのに少し前から気付いていた。
その部分は、同じ白でも、胴体などの白とは見た目が違う白に見える。いかにも、昔は黒かった、という白なのだ。
愛犬は来月で12歳になる。小型犬としては長生きの方だと思うが、人間の何歳に相当するのだろうか。
動物学的に根拠のあることなのかわからないが、英語に dog year という言葉がある。大体、人間の7年が犬の1年に相当するということで、犬にとっては、時間の経ち方が人間の7倍であるということ、そこから、現代社会の移り変わりの激しさ、特にコンピュータ業界の変化の速さをあらわすのにも用いられる。
すると、我が家のローズは人間にしたら84歳ということになる。毎朝の散歩での元気さから見ると、とても84歳のおばあさんには見えないが、犬の世界では、おばあさんが結構元気なのかもしれない。
犬にとっての1日が人間にとっての1週間に相当するのかどうか、犬に聞いてみても答えてくれないのでわからないが、仮にそうだとすると、かなり目まぐるしいことになるだろう。
もっとも、これは、犬にとっての時間と、それを外からみる人間にとっての時間との違いなのかもしれない。アインシュタインの相対性理論をもちだすまでもなく、時間は相対的なものなのだから。
相対的な時間と言えば、浦島太郎の時間がある。龍宮城にいたほんの数日が外界では何百年だったというのは、いわば光速に近いスピードで宇宙旅行をしてきたのに相当する。Urashima year は、7年どころか、200年、300年ということになるのだろうか。
であれば、玉手箱を開けた途端に、浦島の Urashima year が急に現実の時間に同期され、白髪(はくはつ)の太郎になるのも納得がいく。
もっとも、Urashima year の長さから考えると、白髪ではすまないと思うのだが。
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