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January 31, 2013

茶室

先日、茶道部の創立45周年記念の、初釜を兼ねた茶会が学外の茶室を借りておこなわれ、招待にあずかったので行ってきた。茶道に関しては全くの素人だが、毎年、学園祭のときには学内のお茶室で薄茶をごちそうになっている。

今回は、待合から草鞋を履いて露地の飛び石伝いに四畳半の草庵に移動するという、本格的な造りの茶室で、躙り口から、頭をぶつけないように注意して入らないといけなかった。顧問の先生の知人の特別のはからいで使用できたという。

このような狭い空間を千利休は好んだらしく、三畳とか二畳の茶室も作ったと言われる。躙り口も、武士といえども刀を腰に差したまま入るわけにはいかず、外で預けた上で入ってきてもらいたいという意志表示だとされている。

わずかの空間の出入口で外界と遮断され、俗世界でのしがらみをすべて外に置いてきて、しばし別世界に滞在するという経験はなかなか得がたい。武士も、刀をあずけてしまえばただの人。身分の上下もなく、一人の人間として茶を飲んだのだろう。

今日、刀を腰に差す人はいないが、茶室に入る前に俗世間と隔絶するために預けた方がよいものは何だろうかと考えたら、携帯電話が思いあたった。茶を立てている最中にけたたましく着信音が鳴っては別世界もあったものではない。また、あの狭い空間でメールをチェックしていたりしては顰蹙ものだろう。

ポケットに入る機械が躙り口を通るのに邪魔になることはないが、精神的には邪魔物であると言える。入り口に、昔の刀置きのような携帯電話置きを用意すべきなのかもしれない。

もっとも、こういう自分も、お茶をいただいた後で、iPhone で掛軸の写真をとらせてもらってきたのだが。

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