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February 28, 2013

チャペル

キリスト教の学校にはチャペルは欠かせない。チャペルでは礼拝がおこなわれ、礼拝では聖歌を歌うので、伴奏のオルガンが必要である。現在の松蔭のチャペルは、1981年に六甲にキャンパスを移転した際に建てられ、その2年後に、フランスから招いた Marc Garnier 氏の手によって建造されたオルガンが奉献された。

実は、Garnier 氏はチャペル建設のときから関わっていて、最高の音響が得られるように、大学関係者や建設会社と討議を重ねていたという。そのため、非常に長い残響が得られる、理想的な入れ物の中にオルガンが入ることになった。

今年はそのオルガンができて30周年になる。その記念すべき年の2月23日、本学客員教授でもある鈴木雅明氏のオルガン独奏で始まる、Bach Collegium Japan (BCJ) のコンサートが開かれた。

いつにも増して素晴らしい演奏だったが、この演奏会で、BCJ は、1995年から続けてきたバッハの教会カンタータ全曲演奏という偉業を達成した。演奏会に並行しておこなわれてきた CD 録音も完結し、この秋に最後の一枚が発売される。

演奏会は東京でもおこなわれてきたが、CD はすべて松蔭のチャペルで録音されている。音楽に対して鈴木氏と激しく議論してきたという、スウェーデンの発売元 BIS の Robert von Bahr 社長もチャペルの音響のすばらしさに関しては異論はなかったのだろう。

チャペルは、普段は、学生・教職員の礼拝・式典のための場所である。音楽は礼拝の大事な部分ではあるけれど、演奏そのものを目的としたコンサート・ホールとは目的が違う。でも、チャペルで音楽を奏でることによって生まれる人と人とのつながりがあり、大学と、鈴木氏を始めとするBCJ の演奏家たちや、Bahr 氏との素晴らしいつながりがチャペルという場で生まれたことも確かである。

鈴木氏も Bahr 氏も、全曲録音達成には、松蔭のチャペルの使用を始めとする、大学からの物心両面における援助があったことを感謝してくれた。有難いことだと思う。

ところで、チャペル・コンサートにはもう一つ名物がある。学生ボランティアのカフェ・リースヒェンのコーヒーである。チャペルは奉仕団の学生たちにとっても貴重な学びの場であり、カフェの「店員」たちも、人様に飲み物を提供してお金をもらうことの意味が、この一年で大分わかってきたようだ。こちらの方もご贔屓にと、これは名誉店長からのお願いです。

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