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December 30, 2013

悪習

「悪銭身に付かず、悪習身から離れず」と言う(後半は創作)。いったん癖になってしまったことは、なかなか断ち切るのはむずかしい。例えば、何も考えずにテレビを点けてしまうということがある。特に見たい番組があるわけでなくてもだ。

今年は、大きな話題になったテレビドラマがいくつかあったが、先代と比較されて不利と思われた、同じ時間帯の後続ドラマも、視聴率が(より)高くなったという現象があった。もちろん、後続の番組もそれなりに出来がよいという理由が大きいのだろうが、毎週(あるいは毎日)の連続ドラマだと、一種の「生活習慣」となってしまい、ついテレビのチャンネルを合わせて後続の番組を見てしまうということもあるのではないかという指摘もあった。

毎週の繰り返しというと、われわれにとっては、大学の授業が典型的なものである。学生にとってこれが「悪習」と思われてしまっては困るが、15週同じ日程の繰り返しというのは、一見規則正しい生活のようであっても、実は惰性に流れているだけなのかもしれない、と自戒する必要がある。

惰性に流される悪習でなく、同じことが自覚をもって引き継がれると「習慣」となり、それが長年続くと「伝統」となる。和食や歌舞伎は言うまでもないが、大学の教育にも、伝統という要素は大事だと思う。昔は毎年同じ古い講義ノートを読み上げるだけの授業をする先生がいたなどという、今日では都市伝説としか思えない授業があったという。こんな授業は、昔も今も論外だが、その逆に、首尾一貫性もなく、流行に乗って講義内容をコロコロ変えるのも学生にとってよいことではないだろう。学生には、いつの世にも必要な普遍的な基礎力をつけて社会に出ていってもらいたい、と自信をもって同じ授業を続けることも必要なのだ。

さて、そろそろ来年度の講義のシラバスを考えなくてはならない。上で「普遍的な基礎力」と書いておきながら、来年度はどんな新機軸で学生の気を惹こうかと、助平根性が出てしまうのが悲しい習性である。これも悪習なのだろうか。

ところで、仕事をするためにコンピュータに向かっても、つい SNS の投稿をチェックしてしまうというのも、最近になって生じた悪習の最たるものかもしれない。

よいお年を。

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