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April 30, 2014

電車が発車します

いつも利用している電車の発車時のアナウンスが最近変わった。今までは、「電車が発車しています。ご注意下さい。」だったが、「電車が発車します。ご注意下さい。」となった。つまり、「発車しています」が「発車します」に変わったのだ。

今までのアナウンスは、すでに電車が動き出した後に流れていた。動いている電車に近づくな、ということなのかもしれないが、そんな人がそれほどいるとは思えず、いささか、腑に落ちないアナウンスだと感じていた。一体、何に注意しろというのか。

「発車します」というアナウンスは、電車が動く直前に流れる。これから動くから注意しなさいよ、という意味に受け取ることができて、すんなりアナウンスに従うことができる。「てい」を省くという、ほんのわずかの違いだが、日本語の話者にはその違いが確実にわかる。

日本語の動詞のいわゆる終止形は、現在のことをあらわすことは少なく、もっぱら未来のことをあらわすのに使われる。だから、「発車します」と言う場合は、発車は未来のことであり、電車はまだ止っている。しかし、じきに動くことが確実だから、近づかないように注意ができるのである。

一方、「〜ている」の形は、現在進行中の出来事か、すでに起こってしまったことをあらわす。したがって、「発車しています」は、電車が動きはじめた直後と、大分前に発車してしまったこととの間で曖昧性がある。それが、「発車しています。ご注意下さい。」の居心地の悪さの原因だったのかもしれない。

例えば、「5分前に電車は発車しています。ご注意下さい。」ということも可能である。1時間に1本しか電車が来ない駅では、この場合の「ご注意下さい。」は、「電車は当分来ませんから、待っていても無駄です。いったん家に帰ったらどうですか。」ということになるだろう。

さて、4月も末になり、新年度が始まって1か月が経とうとしている。4月なので、新年度は「始まる」のでなく「始まっている」のである。新入生も、大学での90分授業という時間の長さに慣れてきただろうか。高校生のときは、大学に入ったらいろいろと「勉強したい」ことがあると思っていた人も多いと思う。オリエンテーションのころは、「勉強するぞ」と張り切っていただろう。

授業が始まった今の正しい言い方は「勉強しています」である。いまだに「勉強します」では困る。「勉強しています。ご安心下さい」と言ってほしい。学生の皆さん、勉強していますか?

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