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January 31, 2016

端っこ

1月も終わり、もうすぐ節分である。もともとは関西発祥の行事らしいが、節分には、太巻を切らず、毎年特定の方角(恵方)を向いて、一言も発せず、一気に食べる、いわゆる、恵方巻の「丸かぶり」という行事がある。ちなみに今年の恵方は南南東である。

これは、江戸時代の大坂のころにはごく一部の商人の家や花街での行事でしかなかったらしく、一般庶民も巻き込む全国的展開は、比較的最近に、酢や海苔の業界、コンビニなどが始めたことらしい。とは言え、食べ物、それもかなり特異な食べ方を伴う行事というのは面白い。食べ物に関わる行事と言えば、その10日後には、女性からチョコレートを贈るという形に日本で独特にアレンジされた風習が控えている。

丸かぶりの太巻は切らずにそのまま食べるが、普通は太巻は8つぐらいに切って食べる。その場合、必ず2個できる端っこが好きだった。ここは酢飯の量が少なく、相対的に海苔と具が多いので、何か得をしたような気分になる箇所なのである。

食べ物の端っこというのは、本来のあり方とは少し違うために、それ独自の魅力をもっていると思う。煎餅の一部が欠けたところも、醤油などが多目についているようで、少し惹かれるところがある。シフォンケーキを焼いたときに切り取る、蓋というか底というか、端の部分も、味わいがある。

太巻の端っこや欠けた煎餅は、「規格」という観点からは「はずれ」である。しかし、そういうところにこそ、他とは違った魅力的な個性が見出されるということもある。人間を見るときにも、規格に合っているかどうかだけで判断することは避けたい。

端っこと言えば、羊羹の端っこも同様に魅力的だった。包み紙の銀紙の跡がついていて、砂糖の塊があったりする端っこである。この齢になると、余計な砂糖は摂りたくないので、特にその部分を食べたいとは思わないが、子供のころは、危険な誘惑に満ちていた食べ物だった。

羊羹は、特に特定のメーカーの高級な羊羹は、贈答品として用いられることが多い。そして、その場合、羊羹そのものよりも、それに付随した「おまけ」の方が意味をもっていたりする。

そういう羊羹に慣れている人は、もらった羊羹を自分で食べるのだろうか。特に、端っこを食べるのだろうか。どのくらい甘いのか、気になる。

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