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2015年7月

2015年7月31日 (金)

センター夏期休暇のお知らせ

本学の盛夏休校に伴いまして、8月11日(火)~8月17日(月)まで当センターは休室させていただきます。

宜しくお願い致します。

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守田敦子相談員が、神戸学院大学の東北支援ボランティア学習会に、アドバイザーとして参加しました

 神戸松蔭こころのケア・センターでは、地域貢献活動の一つとして、近年多発する自然災害により、こころに大きな傷(トラウマ)を抱える方々への心理的ケア、支援者のこころのケア、ボランティア活動などの、災害支援の取り組みを推進していくことになりました。

守田敦子相談員は、東日本大震災発災時より、支援者(ボランティア)のこころのケアに携わってきました。その経験から東北支援活動に赴く大学生ボランティアに、こころのケアについてアドバイスするとともに、長年、災害支援活動を続けている神戸学院大学のノウハウを学ぶために、72日、3日の2日間、神戸学院大学で開催された東北支援の学習会に、こころのケアのアドバイザーとして参加しました。

学習会では、震災から4年以上が経過する中、東北支援の思いを継続し、現地の状況変化や今後の復興について理解を深めるために、講義やワークショップが行われました。守田相談員は、ワークショップのアドバイザーとして、学生たちに心理面からのアドバイスを行いました。

 ワークショップでは、住民がつぎつぎと離れて心細さが感じられる仮設住宅の活動について取り上げられました。学生ボランティアの、『住民たちと楽しいイベントを行うことで元気を取り戻したい』という意気込みに対し、ただ元気づけるだけではなく、寂しさを共に味わい、心細さに寄り添うことの重要性を学生たちに伝えました。

 また、神戸学院大学の2015年度の取り組みとして、ボランティアに参加することの教育的効果の調査を実施します。その中の、ボランティア活動を通じた学生たちのこころの成長についての調査に協力する予定です。こうしたさまざまな取り組みを、今後の神戸松蔭の被災者支援や学生ボランティアに活かしていきます。

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   ワークショップの様子

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   学生にアドバイス

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2015年7月22日 (水)

ロンドン滞在記(センター所長 安達圭一郎)

 6月9日~15日の約1週間、私の専門である対人関係療法(IPT)の国際学術会議(ロンドン)に参加してきました。日本からは、わが国第一人者で国際学会の理事でもある水島広子博士を始め、私も含めて総勢6名の参加となりました。

 6月のロンドンは、10:00pm頃まで薄ら明るい、緯度の高い地域ならではのサマータイム真っ最中です。日中の平均気温も20°Cと、薄い上着一枚で丁度よかったです。素晴らしい街並みと温かい人々、ついでに天候にも恵まれ、とても快適な滞在となりました。

 本題に入る前に、素朴な驚きのエピソードを一つ。さすがに10:30pmを過ぎる頃には辺りは暗くなってきます。ところが、赤い体操帽(日本の赤白帽そのものです)をかぶった20名くらいの小学生が、リュックを背に列をなして歩いているのです。どう見ても、社会科見学か修学旅行です。2~3名の大人が付き添ってはいましたが、こんな遅い時間に小学生が行進だなんて、日本ではとても考えられません。おおらかというか、治安がとても良いというか、文化の違いをまざまざと見せつけられました。因みに、後ろをついていくと、目的地は私が滞在していたホテルでした。そこには、青や緑の帽子をかぶった小学生達がワイワイガヤガヤ…。

 前置きはさておいて…。IPTは誕生して40年を迎えます。誕生の時期は認知療法とほぼ同じですが、学会組織としてはまだ黎明期です。そのおかげで、今を時めくような世界的な学者や治療者とざっくばらんと話ができる、そんな、何物にもかえがたいメリットがこの学会にはあります。会長自らが、すべての会員を仲間として温かく見守ってくれているのが身に浸みてわかるのです。英語のへたな私にも、多くの方が、笑顔を絶やさず粘り強く私との会話を楽しもうとしてくれました。また、学術的な質問にも必死に耳を傾けてくれました。海外にいるアウェイ感は、日に日に薄らいでいきました。「対人関係」を看板にする心理療法の専門家らしい、とてもすばらしい姿勢です。

 もちろん、学問的にも大きな収穫がありました。私の語学力では十分に理解できない部分は、英語にご堪能な水島先生に解説していただいたので、たいして問題にはなりませんでした。その中で印象づけられたのは、技法が深化していること、そしてその有効性をきちんと確認しようとする姿勢に貫かれている点です。うつ病に対する有効性が科学的に証明されて以降、様々な精神科疾患でもその効果が分かってくると同時に、世界各国で実践する者が増えていきました。そして、そのことを、会場参加者から直に感じることができましたし、一貫して、その有効性の検証が合言葉となっているのです。

 私も、IPTを専門とする者の一人として、諸外国の仲間たちに負けないよう日々研鑽していく所存です。

 センタースタッフの皆様、個々お忙しい中、所長不在のセンターをしっかり守っていただきありがとうございました。

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 有名な2階建てバスとロンドンの美しい街並み

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 日本の第一人者水島広子博士

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 世界的に著名なコロンビア大学John Marcowitz博士

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2015年7月10日 (金)

黒崎優美准教授が松蔭土曜講座で講演を行いました

センタースタッフの黒崎優美准教授が松蔭土曜講座で講演を行いました。

 神戸松蔭土曜講座7回シリーズの第4回目として6/6()に行われた黒崎准教授の講演をご紹介いたします。

 

 「わからない」ことの大切さ ~心理学的視座からの学習支援~

 

 皆様は「学習支援」という言葉を聞かれて、どのような取り組みをイメージされるでしょうか。

 

黒崎准教授は、学習が困難な子どもの支援を希望する大学生に対して心理的な観点からかかわり方を指導し、その上で子どもたちとつなぐ活動を行ってきました。単に勉強を教えるだけではなく、学ぶことを難しくしているこころの問題にも目を向け、こころを育てていこうと考えています。子どもたちを支援する大学生への講義の中では、「わからない」とはどういうことかを学生たちに問いかけています。

 

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 「わからない」とは、あなたにとってどういう体験ですか?

 

 

たとえばあなたが、ある講演会を聞きに行ったとします。難しすぎて「わからない」ことばかりだと、今日はつまらなかったなぁ~、講師は話がヘタだったな・・・と思われるかもしれません。また逆に聞いたことのある話ばかりであればどうでしょう。「わからない」が全くない状態であれば、物足りなかったと感じるでしょう。

 学びたい気持ちが満たされる時とは、適度な「わからない」が「わかる」へ変換された時であり、学習が成立した時と言えます。

 

 では、「わかるようになる力」はどのようにして習得されるのでしょうか。

 

それは持って生まれたものではありません。

 

生まれたばかりの赤ちゃんは、おなかがすいた時・眠い時などは、身体的なモヤモヤとした感覚が何を意味するのかわからずに泣いたりぐずったりして、モヤモヤをはきだします。そうすると周りの大人(例えば母親)は何で泣いているのかな?おなかがすいている?それとも眠いのかな?とミルクを飲ませたり寝かしつけたりして世話をするでしょう。

 

その時におこっていることを心理学的視点から整理してみます。赤ちゃんから排出されたモヤモヤとしたわからないものを母親が一旦受け止め、おなかがすいたとか眠いといった「わかる」体験にして母親の中に取り込みます。そして母親はミルクをあげたり寝かしつけたりといった世話をする行為により赤ちゃんのモヤモヤに意味を与え、それを戻すということがおこっていると考えられます。

赤ちゃんはモヤモヤ(「わからない」)が大人を通して「わかる」に変換されて戻ってくるという体験をしているのです。この体験を繰り返すことで、少しずつ「わからない」ということを抱えられる・体験できるようにこころが成長していくと考えることができます。

 

では、大人が赤ちゃんの「わからない」を受け止めることができず、何で泣いているの?うるさい!!!!と赤ちゃんを叱りつけたとしたら…。赤ちゃんは、はきだしたモヤモヤが恐ろしいものになって返ってくるという体験をすることになります。これをくり返すと、「わからない」に耐えることができず、すぐにキレるようなこころの状態を産んでしまうかもしれません。

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 こういった理解に基づいて学習支援ということを考える時、ただ勉強を教えるだけではなくて、「わからない」と言うことができる関係性を作り、「わからない」を共有し共に体験するといった支援のあり方が見えてくるのではないでしょうか。

 自分の「わからなさ」を誰かにさらすのは、とても勇気のいることです。学習支援活動の在り方として、子どもが「わからない」自分を隠さずに「わからない」と言えることの大切さを学生たちに伝えてきました。

 

こういったことを考えていく講義の中で、学生の視点や考え方に変化を感じられるようにもなってきたと黒崎准教授は述べています。また今後は教員OBへと支援にかかわる人々の輪を広げていく予定です。異世代間の交流を産みそれぞれが学びを得る場であるように、実践を続けています。

 

 ―あなたにとって「わからない」とはどういう体験ですか?―

 

 

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※本学主催の神戸松蔭土曜講座については、こちらをご参照ください 

 http://www.shoin.ac.jp/contribution/extension/koukai.html

 

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