相談員の榊原久直講師が神戸市灘区の「保育士さんのためのステップアップセミナー」に参加しました。
神戸市灘区にある子育て支援センター“地域子育て応援プラザ灘”と,神戸大学大学院人間発達環境学研究科のサテライトである子育て支援を契機にした共生のまちづくりを目指す施設「のびやかスペース あーち」が毎年連携して開催している「保育士さんのためのステップアップセミナー」に講師として参加してまいりました。「“気になる子”と“気になるママ”に寄り添うこと~関係発達の視点から~」というタイトルで,地域で働く保育士さんたちと一緒に,様々な難しさを抱える子どもたちやその家族のこころの動きを理解するということを試みました。
金曜日の夜という日程にもかかわらず, 70名を超える保育士さんたちが仕事終わりに参加してくださり,子どもたちや家族のことを想う熱い気持ちが伝わってくる会でした。
“子どもの視点に立つ”大人側の関わりが子どものこころとからだの成長にとても重要であることが研究の中でわかってきている一方で,現代は様々な事情から相手の立場に立って考えるということがとても難しい時代でもあります。「○○障碍(がい)」に関する専門的な知識といったものや,その子のために何とか力になってあげたいという熱意でさえも,時に相手のこころとすれ違いを生んでしまいます。それは子どもと保護者の関係性においても起こりますが,子どもと支援者や,保護者と支援者との関係性においても起こりうることです。想いがすれ違い,関係性がボタンを掛け違えたようになってしまった時,そのはがゆさやもどかしさから相手の存在が“気になる”存在となっていきます。
こうした時,ふとお互いの関係性を見つめ直し,気になる相手と気にしている自分のこころの動きを考えることが,新しい関係性作りのスタートとなります。気になる相手も,気にする自分も,背景には不安や焦り,そして何らかの願いを持っているのかもしれないという視点からお互いを振り返ると,いったい何が見えてくるでしょうか…。そうしたことを共に考え直してみる1時間半でした。
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