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June 08, 2020

ペンテコステによせて―語学に苦しむ学生諸君へ!

【キリスト教センター 6月のリレーメッセージ】 (2)

毎年この時期、キリスト教の教会ではペンテコステ(聖霊降臨祭)を祝います。今年は531日でした。神戸松蔭でも、例年、6月の第一週あたりの昼休みを利用して、「ペンテコステ礼拝」を行っています。参加した学生さんには、鎌倉名物「鳩サブレ―」がプレゼントされます(聖書では「鳩」が「聖霊」の象徴として描かれています)。

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昨年のペンテコステ礼拝の様子

 

 ペンテコステは、イエス・キリストが天に昇ったのち、弱虫だった弟子たちが、聖霊を受けることでものすごい力を得て、命も惜しまず宣教活動に向かったことを記念する祭日です。弟子たちの本格的活動の開始! という意味で「教会の誕生日」ともいわれます。

 

 では、弟子たちが聖霊によって得たものすごい力とは、具体的にどのようなものだったのでしょう? 聖書のその場面を見てみましょう。

 

「五旬祭の日が来て、皆が同じ場所に集まっていると、突然、激しい風が吹いて来るような音が天から起こり、彼らが座っていた家中に響いた。そして、炎のような舌が分かれ分かれに現れ、一人一人の上にとどまった。すると、一同は聖霊に満たされ、霊が語らせるままに、他国の言葉で話しだした。」(「使徒言行録」21-4節)

 

「他国の言葉で話しだした」とあります。弟子たちは、これからローマやギリシャなど、あちこちにキリストの教えを伝道に行きます。しかし、どんなに志が高くても、その地の言語を話せなければ、イエスのメッセージは人々に届きません。聖霊降臨によって、弟子たちが得た具体的な力は、どこの地域の言語もペラペラに話せる力だったということです。ドラえもんの道具「ほんやくコンニャク」を食べたような状態です。

 

若いころから今に至るまで外国語を読むのに四苦八苦している私は、この場面を読むと「私にも聖霊来てください!」と願わずにはいられません。

 

聖霊降臨の出来事は、旧約聖書の「創世記」に記されている「バベルの塔」という物語を想起させます。神様に逆らって、天にも届く高い塔を建てようとしていた傲慢な人々が、神様から互いに話す言語をバラバラにさせられて、建設作業が続けられなくなってしまいました、というお話です。この話によれば、世界の言語がバラバラなのは、人間の思い上がりという罪に対する神の罰です。だとすれば、四苦八苦して外国語を読まなくてはならない苦しみは、「浄罪」の行為といえます。

 

そう思うと、腑に落ちるものがあります。たまに、苦労して訳した文章が、いかにもピッタリな日本語の表現に収まった時、「やったー!」という、すがすがしい気持ちになります。これは、苦しい「浄罪」の炎をくぐりぬけた先にある、「救い」の味わいと言えるのかもしれません。

 

語学の授業で苦しんでいる学生の皆さん! その苦しみの先には、きっとすがすがしい「救い」が訪れるはずです。めげずに、がんばりましょう!

キリスト教センター委員:木鎌 耕一郎

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(次回は瀬山チャプレンです。お楽しみに!)

 

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