この本がおすすめ! ★第1弾★
心理学の入門的な本を時々紹介したいと思います。
まず第1弾です。
「犬のココロをよむ : 伴侶動物学からわかること」
菊水健史・永澤美保著 岩波科学ライブラリー
(本学図書館所蔵)
イヌはもっとも身近なペットですので、イヌの習性についてはテレビなどでよく紹介されますし、多くの本が出版されています。しかし、経験的に知られているだけのことや古い研究に基づいていることも珍しくありません。イヌの行動や心理についての科学的な研究に基づいた本はそれほど多いわけではありません。
この本は日本人研究者が、近年の科学的研究を紹介しながら、イヌの感覚や行動・心理についてわかりやすく解説した本です。イヌの心理・行動について調べたいと思っている人が最初に読む本として適しています。
この本では特に、人の意図や感情をまるで読んでいるかのようなイヌの能力を紹介しています。そういったイヌの能力は、イヌを飼っている人なら誰しも感じるものですが、科学的に明らかになっているとは言えませんでした。
人間における共同注意研究やサルの他者理解研究の問題意識や実験方法が、イヌにも当てはめられるようになったことで研究が進展したことが伺えます。
「ココロをよむ」というタイトルは、人間がイヌの「心」を読むことを意味しているだけでなく、イヌもまたヒトの心を読むことを意味しているように思えます。
(紹介者 心理学科教員 待田)
紹介した本と文章は以下のホームページ「この本がおすすめ!」コーナーに貯めていきます。このページには卒論やレポート作成の参考資料も置いています。
「神戸松蔭 心理学のページ」
http://ksw.shoin.ac.jp/dept/psychol/pshome/
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