活躍する卒業生:心理カウンセラーのお仕事
大学、大学院の卒業生(2009年度大学院修了)で、現在、小学校、中学校、大学で心理カウンセラーとして勤務されている、臨床心理士の片川果さんにお話をうかがいました。
Q.心理カウンセラーになろうと思われたのはいつ頃ですか。
A.高校生のときです。友人から聞いてスクールカウンセラーの存在を初めて知りました。学校を休みがちな友人に、自分はどこまで踏み込んでいいのか分からなかったけれど、スクールカウンセラーの先生に相談していたと聞いて、友人にはできない支援ができる仕事なのだと思いました。進路を決めるときには、精神保健福祉士など、他の資格についても調べてみましたが、やはりスクールカウンセラーとして学校で仕事がしたいと思い、心理学科への進学を決めました。
Q.高校生の時に目指した夢が実現しているなんてすてきです。迷うことはありませんでしたか。
A.ありました。特に周囲の友人が就職活動をし始めた時期には、“本当に心理カウンセラーになれるのだろうか”“職業としてやっていけるのか”などいろいろ悩みました。しかし、4年間大学で勉強してきたことを活かしたいという気持ちや、やはり高校生の時からの夢を諦めたくないという思いが強かったので、最終的には大学院に進学し、臨床心理士の資格を取得して心理カウンセラーのお仕事をするようになりました。
Q.具体的にはどのようなお仕事をされているのですか。
A.小学校2校と中学校1校にスクールカウンセラーとして、また、本学学生相談室の相談員としても勤務しています。スクールカウンセラーは各校週1日、学生相談室は週3日の勤務です。
小学校では低学年の児童にも分かりやすいよう「お悩み相談の先生」と呼んでもらっています。小学校高学年くらいになると、自主的に相談にやってくる子どもさんも増えてきます。友人関係や部活のことなど、悩みの内容はさまざまです。学校では、相談室で話を聞くだけでなく、担任の先生から普段の様子をうかがったり、クラスでの様子を見に行くなどして情報を収集し、適切な支援ができるよう努めています。
Q.仕事をしていて良かったなというエピソードがあれば教えてください。
A.小学1年生の時から会っていた女の子がいたのですが、4年生の時「片川先生に優しく話を聞いてもらえたから、将来は先生みたいなカウンセラーになりたい」と話してくれたときには、「話を聞いてもらえた」という体験を彼女ができていたのだと実感できてじーんとしました。また、元気のない様子で相談室に来談していた子どもさんがお友だちと元気に過ごしている様子を見ると、良かったなと思います。
Q.最後に、高校生のみなさんにメッセージをお願いします。
A.進路選択に迷っている方は、しっかり迷ってください。迷うことは当たり前のことですし、この先もずっと続くものだと思います。私自身毎日迷いながらお仕事をしていますが、そんななかでちょっとした嬉しいことがあると“やってて良かった”と思えたり、そういったことを積み重ねていくものなのかなと思っています。決めたことをやり通すのも大切ですが、迷うことも同じくらい大切です、しっかり迷ってください。
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