活躍する卒業生:ウェディングプランナーのお仕事
先日の「心理の仕事」の授業でもお越しいただいた、華やかなウェディング業界でプランナーとしてホテル日航大阪で勤務されている、卒業生の市川尚子さんにお話を伺いました。
市川さんは、神戸松蔭の中学・高校・大学で過ごし、心理学科の一期生です。
Q.ウェディングプランナーを目指すきっかけは何だったのでしょうか?
A.大学時代に4年間ホテルで配膳のアルバイトをしていました。はじめは時給が良いという不純(笑)な理由でやっていたのですが、人と接することが楽しかったのと、ホテルでしたから素敵な結婚式の様子を多くみる機会がある、ウェディングに関わる仕事をやりたいと思うようになりました。
Q.具体的にはどんなお仕事ですか?
A.結婚式の主役、新郎新婦の最高の一日になるようにトータルコーディネートするお仕事です。新郎新婦だけではなく、お祝いに集まった参列者のお客様にも満足していただくための様々な準備をします。ドラマなどから華やかなイメージが強いですが、実は地味な縁の下の力持ち的なお仕事です。
職場によって違いますが、ホテルでのウェディングプランナーの場合、営業からウェディングの企画までを主に担当します。営業というのは、まずは第一段階としてお客様に当ホテルに足を運んでいただき、挙式場所の検討対象に選んでいただけるように試食会を実施したり、会場の魅力的な写真をHPや雑誌等に掲載するといったことがあります。実際に挙式が決まったら、新郎新婦さんと何回もどのような式にするのかについて打合せをしていきます。どのようなお料理がいいのか、テーブルの装飾はどうするのか、どのような演出がお好みなのか・・・等、お話を重ねながら、お二人が望むかたちの結婚式を挙げるにはどうすればいいかを考え、プランをご提案します。
新郎新婦様たちだけでなくゲストのみなさんも喜んでいただけるようなものをプランナー目線からご提案するようにも心がけています。そして式の詳細が決まったら、物品の手配等の事務作業も自分たちで行います。実は、挙式をする週末以外は、ほとんどがこういった事務作業なんですよ。
Q.いろんなことをなさるんですね。大学で学んだ心理学は役に立っていますか?
A. お客様相手のお仕事ですので、いろんな場面で役立っていると思います。例えば、営業なんかはそうですよね。値段はもちろん重要な要素ですが、お客様の多くは、私たちの第一印象と親近感がもてるかで式場を決定していらっしゃるのかなと思うんです。ですので、私たちのホテルでは、「いらっしゃいませ」ではなく「こんにちは」と挨拶し、お式の相談や打合せでは、基本的に苗字ではなく下のお名前で○○さまと呼ばせていただいています。長い間、プランを話し合うことになるので、親近感をもってもらい、ちゃんと話し合えることがとても大切だと思っていますので、心理学的な対人スキルはとても役にたっています。
心理学科の授業でお話しいただきました
Q.喜ばしいイベントの話し合いですから、いつも話が弾んで楽しそうですが実際はどうですか?
A.実は、そうでないときもあるんです。お式の打合せを重ねていくなかで、新郎様のほうがあまり熱心でないと新婦様が感じることがあり、結婚後のことや二人のことで悩まれたり不安になってしまうことがあります。いわゆるマリッジブルーです。そのようなときは、どちらかに肩入れをするのではなく、それぞれのお話をじっくり聞いて、ケアして、お二人が望む式は何なのかを話し合っていく作業を行います。
Q.本当にある意味、カウンセリングをされているわけですね。大変そうです。
A.そうやって、何度もお話を重ねて結婚式を一緒に作り上げていくので、式当日は親御さんの気持ちになっています。忙しい時期には月10組は担当させていただくのですが、それでも、毎回、“うるっ”ときてしまいます。そして、「お蔭でとても良い一日になった」と言われると本当に嬉しくて、このお仕事が辞められません。
Q.仕事の達成感も感動も、相手に心を寄り添えたからあるものですね。最後になりましたが、在学生に何かアドバイスはありますか?
A.心理学はいろんな場面で役立っているなと感じています。いろんな心理学があるので、改めて学び直したいくらいです。学生の時間はあっという間です、でも、まだまだ時間はあると思うので、是非、いろんな心理学を大学にいる間に学んで欲しいなと思います。
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